カリフォルニア州立鉄道博物館。よかったですー。演出が泣かせるんです。まずね、映画みるんですけっこう立派なシアターで。ストーリー仕立てのとてもよくできた映画でね。昔の人が苦労して挫折して、それでも希望を胸にレールを敷いてきたお話が20分くらい上映されるんです。それだけでも感動なんだけど、「こうして、今日の我が国の鉄道の礎は築かれてきたのです」で終わりかと思いきや映画が終わりきらないうちにスクリーンがガーッと上がっちゃってその裏がガラス張りになってまして。ガラス越しにこの1号機関車がドーンと現れてガラス戸がバーンと開くんです。

「さあ、見るだけでなく、触れてください。乗ってください。あなたのその手で確かめてください!わたしたちの国を築きあげてきた機関車たちを!」で申し合わせたようにストリングスが駆け上がりホルンが半音上昇のカウンターをナデるのさ。あぁ、やられた

でそのままシアターから直接展示順路へとみんなでぞろぞろ入っていくんですが。鉄ヲタでなくても泣くよ。うん。グス。

ちょっとビクッとするくらいよくできたお人形。

Central Pacific1号機の銘板。ピッカピカです

実物大フィギュア展示。「ロッキー越えの非常に困難な鉄道建設の実現には、サンフランシスコ在住の中国人たちの労働力が不可欠でした。彼らの働きなくして今日のアメリカの発展はありえませんでした。彼らもまた、ヒーローなのです」これくらいの気遣いがどっかの国にもあればねえ。

シアターの待合室には模型がいっぱい。PEのブリンプもバーニーカーもハリウッドカーもあります。もちろんPCCも。本当はこの10倍くらいあったけど暗くて失敗しました。ぜんぶ地元所縁の電車たちです。ただし50〜80年前の。これらの一部は後日実際に乗ることになるのでした。

機関車の横に立ってる機関士さんがお人形、その後ろにいる親子が本物の人間です。

「あのーちょっとすみません」ってうっかり声かけそうになっちゃいますね。

たまーに人間のスタッフが整備してたりするので動くとビックリします。

機関車はVirginia&Truckee 12号機「ジェノア号」4-4-0 1873年製。シリンダーのピッカピカ具合はざーとらしいまでにお見事。これ79年まで動いてたっていうから驚きです。

もう西部劇の世界そのものです。今にも馬に乗った列車強盗団が襲ってきそうですね。どこからかバンジョーの音色が。

燃料は薪ですよマキ。機関車はNorth Pacific Coast 12号機「ソノマ号」4-4-0 1876年製。

 

←左。

ソノマ号の木製キャビン。ここだけでそこはかとなくウエスタンですね。人は本物です。そこ入るなっつーのに。

右→

コーチの中です。19世紀の客車の中見られるなんて。モニタールーフの天井って格調高くていいですね。この時代電気あったのかしら。アタマぶつけないように梁が彎曲してるのが古き良き時代のお客様本位。

ソノマ号が牽いてる客車。デッキにならず者がたむろしてたり、窓から金髪のジェニーがいつまでも手を振ったりしていたあの客車です。窓のアーチが素敵。

ここは「州立」博物館なのであくまで地元の歴史が中心です。だいたいですけどね。だいたいこのへん。だって州ができたの1848年だもん。その前はメキシコ領で荒野。ひたすら荒野。